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藤野 威男*; 白鳥 徹雄; 佐藤 修彰*; 福田 幸朔; 山田 耕太*; 鈴木 康文; 芹澤 弘幸
Journal of Nuclear Materials, 297(2), p.176 - 205, 2001/08
被引用回数:20 パーセンタイル:79.16(Materials Science, Multidisciplinary)高燃焼度用LWR酸化物燃料の開発を目的として、Mgを添加したUO燃料の照射挙動を調べた。2.5~15mol% MgO添加UOと比較用無添加UOの焼結体小ディスク試料をJRR-3Mで最高94GWd/t(1000) まで照射した。照射後試験で、試料の外観と健全性、組織観察、スエリング率測定、FP放出挙動、熱伝導率測定等の高燃焼度における挙動のデータを得た。65GWd/t(700) 以上では試料全体にリム組織の生成がみられた。Mg添加UOでMgの固溶度が小さく、おもにMgOとしてUOマトリックス中に分散している燃料の高燃焼度照射挙動は、全般的に無添加UOと顕著な相違はみられない結果となった。(U,Mg)Oの固溶体の照射挙動が今後の課題である。
永瀬 文久; 大友 隆; 谷本 政隆*; 上塚 寛
Proceedings of the 2000 International Topical Meeting on LWR Fuel Performance (CD-ROM), 15 Pages, 2000/04
原研は、今後の燃焼度延伸が冷却材喪失事故(LOCA)時の燃料挙動に及ぼす影響を評価することを目的とした試験計画に着手した。計画では、発電炉照射済燃料を加え、酸化/水素化/照射した模擬高燃焼度燃料被覆管を用いて腐食や水素吸収といった高燃焼度化因子が被覆管の膨れ、破裂挙動、高温酸化速度、再冠水時の熱衝撃による破損挙動に及ぼす影響を総合的にかつ分離的に調べる。これまでに、水素添加した非照射ジルカロイ-4被覆管に対し、水蒸気中での高温酸化試験と破裂→高温酸化→急冷過程を模擬した耐破損特性評価試験を実施した。試験の結果、予備水素吸収が高温酸化に及ぼす影響は水素濃度や酸化温度に依存して変化すること、予備水素吸収が急冷時の破損限界を低下させること等が明らかとなった。
宇根 勝巳*; 野北 和宏*; 須澤 洋二郎*; 林 君夫; 伊藤 邦雄*; 栄藤 良則*
International Topical Meeting on Light Water Reactor Fuel Performance, 2, p.775 - 785, 2000/00
平成9年度まで旧燃料研究部燃料照射研究室と日本核燃料開発(NFD)の間で実施した共同研究の成果を含む発表である。NFDがOECDハルデン炉により被覆管拘束下で照射した燃料(平均60GWd/t)と、上記共同研究としてJRR-3により85-90GWd/tの高燃焼度照射した無拘束ディスク状燃料の状態を照射後試験によって調べ、比較検討した。無拘束(ディスク状)では、リム構造を形成する気泡が直径5~6mに異常成長していたのに対して、被覆管拘束下(ハルデン炉)では最大1.5-2mであり成長が抑制されていた。気孔率も無拘束の14-18%に対して、拘束下では7-8%と低かった。結論として、PCI拘束はリム構造形成に大きな影響を与え、その結果スエリング、FPガス放出、燃料温度に大きな影響を与える。
更田 豊志; 中村 武彦; 笹島 栄夫; 永瀬 文久; 上塚 寛; 菊池 圭一*; 安部 智之*
Proceedings of an International Topical Meeting on Light Water Reactor Fuel Performance (CD-ROM), 15 Pages, 2000/00
NSRR実験を中心とした反応度事故条件下における燃料挙動研究について最新の成果を報告する。被覆管の水素脆化を主因とするPCMI(燃料ペレット/被覆管機械的相互作用)破損が問題となっているPWR燃料については、最新のTK-7実験における燃料破損状況を示す。一方、PWR燃料に比べて被覆管強度の低下及びPCMIによる負荷が小さいBWR燃料においても、燃焼度の増大に伴って過渡時の変形が大きくなる傾向が見られており、PCMI破損に至る可能性が大きくなっている。ATR-MOX燃料実験においては、燃料の変形及びFPガス放出がウラン燃料に比べて大きくなる傾向が見られ、Puスポット近傍のペレット微細割れなど、MOX燃料特有の現象が見られる。さらに、内圧バースト試験では、外周部に水素化物の偏析が著しい被覆管は高温条件(620K)下においても破断歪が1%以下となることを示した。